日曜日はパルコ版、月曜は水戸版を観に行きました。
水戸版にはキミトジャグジーの織笠、首藤くん、座長が出演。
朝早く芸術館についちゃって、楽屋入りするであろう座長を見てしまった。ヒヤヒヤ。織笠からは芝生を投げつけられた。
やっぱり水戸版は見劣りしちゃうのかなーと思いきや。
むしろ水戸版すごく良かった。つかこうへいの男臭さに水戸のポップさを加えて、それでもちゃんと台詞を客席に飛ばしてくる素直な演出。
気に入ってるシーンが何個か切られていたのは残念だけど、お客さんを楽しませようっていう心意気がヒシヒシを伝わってきた。
それから、水戸は面白い役者さんがたくさんいる。坂本、土方、留吉、桂。みんな魅力的だった。
キミジャグの仲間が出てらから、贔屓目に見てる自分もいるのかなって思ったけど、やっぱり水戸版おもしろかった。
東京版が「骨太」で「ダイナミック」な沖田なら、水戸版は「凛」として「可愛い」沖田。
東京版が「若く」て「繊細」な坂本なら、水戸版は「かっこよく」て「破天荒」な坂本。
こんなカンジで、まったく違ったふたつの「新・幕末純情伝」を見られて本当に良かった。
どっちも素晴らしい舞台だった。客席は土地柄か、水戸の方があたたかかったかな。
月曜日は東京組も何人か観に行ってて、プチ同窓会みたいになった。
その時、織笠の恩師がこの舞台を観て、「自分の手で育てられないなら、あいつ実家に帰るって言った時に殺せばよかったなぁ」とか危険な発言してて。その時は「何言っとんのや、おっさん」とみんなで笑ったが、今思えば最高の褒め言葉だったな、と。
このおっさん、仕舞いには「何で水戸にいるんやろうな、何で俺のとこ来ないのかな。」と泣き出して、俺らドン引き。よく見たらこのおっさん、ビール飲んでた。しょうもないおっさんだ。小劇場に帰れ。むしろ奈良に帰れ。ここまで書いて、おっさんがこのブログ読んだらどうしようと思ったけど、普段からおっさん扱いしてるからまあいいか。
あいつを有名にするのはおっさんでもM谷さんでもないんだよ。水戸なんだよ。キミジャグなんだよ。俺なんだよ。
見終わったあと「織笠裕美」っていう女優についてみんなで話し合ったけど、結局は「もうしばらくは好きにやらせよう」って事になった。勝手にそう結論づけた。
単に芝居がうまいだけじゃなくって、織笠の声と表情はちゃんと心に残る。忘れない。
たまーにこんな風に格の違いを見せてくれる。幕が上がる前は他の女子に嫌がらせとかされてシクシク泣いたり緊張で吐いたりするくせに、幕が上がると嫉妬も羨望も全部蹴散らす。ちゃんと役者の仕事してくれるから、安心感がある。ファン層が広い。俺の隣、お金持ち風のおばあちゃんとおじいちゃんが座ってたんだけど、「あの女の子素晴らしいねぇ、可愛いねぇ」ってずっと言ってて、遂には芸術館のお姉さんに注意されてた(笑)見逃してあげてー。
今回芸術館さんが織笠を引き上げてくれて、彼女の芝居がたくさんの人の目に触れたっていうのは織笠にとってもキミジャグにとってもすごく意味があることだったと思う。本当にありがとうございました。
小劇場関係とはいえ、こんだけ切望されてるのに、「地下鉄の乗り方が分からない」という理由で東京に来ないあいつはバカ通り越してちょっとカッコイイと思う。多分、本当に水戸が好きなんだと思う。その理由が俺にも分かった。あんなに魅力的な劇場、役者、環境が揃ってたら、そりゃ離れられないと思う。
もっとまわりに水戸宣伝しよう。そうしよう。
終演後、「リバウンドせんようにしろよ」と嫌味のひとつでも言ってやろうと思ったが、マメと瘡蓋でガチガチになっちゃったあいつの手みたら、何も言えんかった。お疲れさん。
どんなに時代が変わって新しい舞台が出てこようと、やっぱりつかこうへいの芝居は必要なんだな、と考えさせられました。
光文社さんの締め切り4時間前。三池順太より。
PS
石川くんと西堀嬢へ。俺の帽子はリバーシブルなんだよ!
そして、いつもありがとうございますと言いたいのです。